20.『天使の分け前』 テアトル銀座

IMAO2013-04-17

ケン・ローチの新作。非常に手軽に撮っている様に見えるが、やはり彼の感心は「社会問題」だと思う。
主人公の青年達は、社会の状況によって最下層の生活を送っている。その生活から抜け出したいと思っているし、最終的に抜け出す事に成功するのだが、その為に彼等が選んだのは犯罪だ。彼等の罪はこの先問われる事になるのか?それは語られる事なく、矛盾を抱えたままこの物語は終る。主人公の青年は妻と子供と共に新たな道を歩んでゆくが、彼の友人たちは結局元の生活に戻る事が暗示される。ケン・ローチとしては、このラストで観客に疑問を投げかけた形で終らせたかったのだろう。だが、もしこの映画がダルデンヌ兄弟が撮ったとしたなら・・その後の彼等の姿を描くかもしれない。
テアトル銀座も最終上映。映画館が無くなってゆくのは、やはり寂しい。