50.『ナイロビの蜂』 T-JOY大泉

IMAO2006-05-20

言葉で語りすぎている部分が多すぎると思う。
要するにちょっと「説教臭い」、
と感じたのかもしれない。
映画で何かを主張するのが悪い訳ではないと思う。
でもこの映画はテーマを説明した所で終り切っている。
映画を観た後に観客が持って帰るモノは少ない。
「私が言いたいのはこういう事です。
アナタはこういう事を感じなくてはなりません。」
人によって感じ方は違うのだろうが、僕にはそう思えた。


僕にとって映画とは、理屈=言葉を越えた力を持ったモノだ。
「越えた」という言い方は少し僭越かもしれないが、
要するに映画でなくては表現出来ないモノが映画なのだ。
当たり前の事の様だが、これは意外と難しい。
それを証拠に、ほとんどの映画はこの事を実行出来ていない。
もちろん、この映画にはそうならない様な努力の跡がたくさん見られる。
けれども、そのどれもが空回りしている様な感じがしていると思う。