77.『イントゥ・ザ・ワイルド』 テアトルタイムズスクウェア

IMAO2008-09-08

「若さ」というものが「彷徨う」という事と同じ意味だとするならば、この主人公はまさに「彷徨」の象徴でしょう。彼は何かを得ようとした訳でもないし、実際に様々なものを失ってゆく。そして最後には若くして自分の命さえ失ってしまう。けれども、どんな人生にも意味はある、そんな風に自然に思わせるこの映画のパワーには素直に打たれました。これはもう映画というよりある人生の追体験だ、と思うのは少しひいき目ですかね?
主演を演じたエミール・ハーシュが本当良かった。『ロード・オブ・ドッグタウン』の時も良かったけれども、今回も素晴らしかった。女の子だったら、あの目には参るね。ショーン・ペンはやはりイーストウッドの次のアメリカ映画の継承者かもしれない。撮影はアルノー・デプレシャンのカメラマンとして有名なエリック・ゴーティエ。