47.『NANA-ナナ-』 T-JOY大泉

映画日誌です。
タイトルの数字は今年に入ってから観た映画の本数。
大体毎年100本前後観てると思います。
仕事によりヒマな時にはまとめて観て、
忙しい時はほとんど観れない、といった感じです。
映画以外では自転車とバイクが趣味なので、
自転車かバイクに乗って映画館に行く事が多いです。

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大谷健太郎の実質的なメジャー作品。純粋に面白かった。
これはヒットすると思う。

キャスティングがこの作品の要だったろうが、
中島美嘉という本物のアーティスト、
そして今絶好にカワイく輝いている宮崎あおい
この二人を起用出来た時点で「勝負あった!」って感じはする。
(もちろん他のキャスティングもなかなか心憎い)

大谷健太郎はこの原作から一切逃げていない。
冷静に考えればSFの様なこのマンガの世界観を忠実に再現する事で、
原作の世界観に真っ向から斬りつけている。
だから最初の数分はこの映画の世界観に馴染めなくて
居心地の悪い思いもする。
作り手の方も多少迷いがある様な感じがしているが、
段々とその世界観はこちらに浸食してくる。
宮崎あおいのメイクや演技もそれに合わせたものだろうし、
中島美嘉の一種異様な存在感も、この過剰な世界の中では自然に見えてくるのだ。

だが、この映画はただ、「過剰な」だけの世界ではない。
この二人の関係性が撮影の進行に合わせて序々に深まってゆく事が
この映画のリアリティーに貢献している。
この二人の関係、そして中島美嘉松田龍平の関係が、
このSFの様な世界の中で不思議なリアリティーを持っている。
その事が正に映画でしかありえない「感触」を獲得させていると思う

色々と良い所があるが、監督がノッテいるな、と感じたのは
宮崎あおいの恋人の浮気がバレるシーンだろう。
あのシーンで中島美嘉
「てめえの恋人だろうが!だったらてめえの手で奪い返せ!」
という言葉に宮崎あおいが泣きながらも
「・・・いらない・・」というシーンはリアルで良かったなー。
思わず笑ってしまう位リアルだった。
やはり大谷健太郎は恋愛映画が好きなのだろう。

これだけのファンを持つ原作を映画化する、というプレッシャーに耐え、
しかもこれだけのクオリティーとバジェットの中で映画を撮った大谷健太郎に拍手。