51.『さよならみどりちゃん』新宿トーア

IMAO2005-09-06

知り合いの会社が資金協力している(?)
古厩監督の新作。僕は結構好きです。
古厩監督はつくづく映画の人だなーと思ったです。
巧いし無駄がない。

南Q太の原作は一度読みかけた事があって途中でダメだったのだが
そういう部分が巧く抜けていて、それが良かったのかもしれない。
原作は女の醜さみたいな所があまりにも生々しくて
そういう部分が嫌いだったのかもしれないが、
男が演出したせいもあってそういう部分はキレイに抜けている。
主演の星野真理も体当りだし、
西島秀俊も良いオトコぶりが上がっていて良い。
まあ西島秀俊はどう見ても「悪い男」に見え辛いのが唯一の欠点か?
もっと若くてチャランポランなヤツの話なんだよね、多分本当は。

でも良い所がたくさんあった。
ゆうこが恋敵とキャッチボールするシーン。
ゆうこがタクシーに乗ったユタカを追いかけるシーン。
ラストのカラオケのシーン・・・
そういったモノが全て主人公の「感情」を表現するモノとして
機能している。原作を読んでみれば判るがそれらは全て
原作では小さな「点」でしかすぎない。
そういったモノを巧く吸い上げて
映画の脚本として昇華させているあたり脚本家の力量を感じた。
(ちなみに脚本は渡辺千穂