62.『CASSHERN』(再) WOWOW 『夫婦』 NHK-BS2

初見の時も思った事だが、決して嫌いではないのだ。
だがあまりにも「思い入れ」が熱すぎて、
辟易してしまう人もいるに違いない。
実際映画館で観た時も「サイテー」と声に出して
言っていた人がいた。

でもそれだけに愛すべき映画だ。

  • 『夫婦』

成瀬の『夫婦』は『めし』に続く成瀬の夫婦三部作の二作目。
この作品は確かに『めし』のヒットを受けて作られた
プログラムピクチャーであろうし、『めし』の鏡の様な作品なのだが、
それだけで片付けられるにはもったいない作品だ。
夫婦がいて妻の実家に住んでいたが、妻の弟が結婚するので、
夫婦は家を出なくてはならない。なかなか家が見つからない所、
旦那の会社の友人が女房を亡くした所で家の一部を間貸ししても良いという。
そこで、夫婦はその家に間借りする事になるのだが・・・
という話だが、その家の主人たる男が実際には
間借りしている様な関係になってゆく。
その男を演じているのが若き三國連太郎だ。
あまりに佐藤浩市に似ていてビックリしたが
親子なので当たり前といえば当たり前か。
だが、この映画の三國連太郎はかなり面白い。
この映画は三國連太郎の映画だと言っても良いくらいだ。
夫婦は結婚6年目で、そろそろ倦怠期にさしかかっていて、
お互いの良い面よりは悪い面ばかりが気になってきている。
そこに登場した三國連太郎は妻を亡くしたばかりで、
結婚生活への郷愁とまだ美しい他人の妻への興味がつきない。
そうした三角関係が微妙な関係になっていて、面白い。
こうした三角関係の芝居の付け方は成瀬のお家芸といった感じだ。