64.『タッチ』 TOHOシネマズ海老名

一年ぶりくらいに軽くツーリングに出て、
帰りに海老名に寄りこの映画を観る。
悪くはない、悪くはないのだが・・・・
良い所から探そう。
まずこの映画のキャスティングは現段階では
これが正解だったのだと思う。
長澤まさみは今絶好調にカワイイし、高橋兄妹も本当の双子、
という希有なキャスティングではある。
その他、風吹ジュンRIKIYA等脇の役者でも
かなり良い人たちがいた。
脚本もある意味無難というか、ハズレのない脚本だと思う。
だが、全てが順当すぎるのがこの映画の欠点なのだ。
それはある意味非常に贅沢な悩みではあるのだが、
これだけ順当すぎるとちょっと映画を観ている、
という気持ちにはなれない。

そしてもう一つこの映画に不満があるとすれば、
この映画には徹底的にリアリティーが欠けている事だ。
それは何もあだち充という原作による所も大きいだろう。
この原作自体はもともと絵空事も良い所で、
ハッキリ言ってファンタジーだ。
犬童一心がどこかで言っていたのだが、
この物語はそういう意味で『神話』なのかもしれない。
だが実写化した時にあまりにも「リアル」な部分が欠如
しているので、どうしても感情移入しにくい。

この映画は何のかんので恋愛映画なので、
そういった恋愛のリアルさが原作になかったとしても、
映画ではどこかにそういったエピソードが必要だったのだと思う。
だが、それは原作者との駆け引き等もあって
難しかったのかもしれない。
ジョゼと虎と魚たち』でリアルな恋愛を描けた
犬童一心なだけに悔やまれる。

だが、今の時代皆リアルなモノなど観たくないのかもしれないが。