118.『疾走』  シネスイッチ銀座

IMAO2005-12-21

SABUの映画を観るのは初めて。
ちょっと気になっていたのだが、
なかなか機会がなかった。
だが、コピーの「誰か一緒に生きてください。」
に惹き付けられて観に行く。良い映画だった、と思う。
脚本が少し「理屈」で作っていて、言葉に寄りかかっている感じがしたが、
(原作を読んでみないと分らないが、多分原作に由る所が大きいのだろう)
主人公の少年と少女の「心の痛み」がしっかりと伝わってくる映画だった。


限定された画作り、棒読みの様な台詞まわし、前半は特に
そういった方法論が鼻につく所も多い。
そして後半、脚本の「構造」が見えすぎてしまう部分もある。
だが一方で確実に心に残っているシーンもある。
少年と少女が偶然道で会い、対峙する所。
駈ける少女のポニーテール。
燃える家。中谷美紀の足。
大杉蓮の手・・・
そして少年と少女は再び交差点で対峙する。
「生きる」こと、「死ぬ」こと、を青春期に見つめる、
という深いテーマをよく集約したと思う。


しかし観ていないから何とも言えないのだが、
SABUって「走る」映画ばっかりですね。
でも真面目な話、これからもがんばって走り続けてもらいたい、
と思います。
それにしても重松清の原作は最近よく映画化されている。
予告編で流れていた市川準の新作もそうだ。
帰りにヴェンダースの新作のチケットを買って帰る。
今度はサム・シェパード脚本、主演。
しかも奥さんのジェシカ・ラングまで出るそうな・・・・