11.『美女缶』 レンタルDVD
「四畳半SF!」と言われた『美女缶』。
観なくてはと思いつつ、公開から早2年くらいたって
やっとDVDで観る事が出来た。
一言で言うと「男の願望映画」ですね。
でもそれだけだと、ただのエロになってしまうので、
そこはちゃんと外していません。
この映画はラブストーリーでもあり、サスペンスでもあり、
青春映画でもあり、ミステリーでもあり、そして何よりも
SFでもあるのだが、ちょっと可愛く切ない所もちゃんと
押えているアタリにこの監督の巧さを感じます。
元々漫画を書いていた筧昌也はその構成力が武器で、
ストーリー展開、台詞など含めて良い意味でも悪い意味
でも非常に漫画チックだ。(一説には藤子不二雄っぽいとも)
だからこれは単純に好みの問題でもあるのだが、
ラブストーリーなのに、キスシーン一つない、とか
肝心な時に手ひっこめちゃう、とか恋愛濃度は中学生レベル
だったりします。ただこの辺がこの映画を只の「エロ」
にしていない部分でもあるし、女の子も観ていて不快に
ならない理由だったりするので、それが良い悪いの問題で
はないのだろう。見せれば良いってもんでもないしね。
映画はやはり想像させる芸術だと思うし。
ただ、個人的にはソコは外してはどうかなー、と思える部分
もちょっとあったのも事実。この作品はこの後テレビとかでも
リメイクされたりしたので、その辺どう変化していったのか
ちょっと興味あり。
メイキング等を見ていると、「自主映画」の楽しさに溢れていて、
ちょっと懐かしくなった。でもこうやって自主で映画を
撮っていくのも結構根性がいる事なのだ。
蛇足だが、筧監督とは某映画祭で数年前にご一緒しました。
メイキング等を見るとあの頃よりもしっかりした顔立ちになって・・・
と俺も歳とったって事か??