11.『美女缶』 レンタルDVD

IMAO2006-02-11

「四畳半SF!」と言われた『美女缶』。
観なくてはと思いつつ、公開から早2年くらいたって
やっとDVDで観る事が出来た。


一言で言うと「男の願望映画」ですね。
でもそれだけだと、ただのエロになってしまうので、
こはちゃんと外していません。
この映画はラブストーリーでもあり、サスペンスでもあり、
青春映画でもあり、ミステリーでもあり、そして何よりも
SFでもあるのだが、ちょっと可愛く切ない所もちゃんと
押えているアタリにこの監督の巧さを感じます。
元々漫画を書いていた筧昌也はその構成力が武器で、
ストーリー展開、台詞など含めて良い意味でも悪い意味
でも非常に漫画チックだ。(一説には藤子不二雄っぽいとも)


だからこれは単純に好みの問題でもあるのだが、
ラブストーリーなのに、キスシーン一つない、とか
肝心な時に手ひっこめちゃう、とか恋愛濃度は中学生レベル
だったりします。ただこの辺がこの映画を只の「エロ」
にしていない部分でもあるし、女の子も観ていて不快に
ならない理由だったりするので、それが良い悪いの問題で
はないのだろう。見せれば良いってもんでもないしね。
映画はやはり想像させる芸術だと思うし。
ただ、個人的にはソコは外してはどうかなー、と思える部分
もちょっとあったのも事実。この作品はこの後テレビとかでも
リメイクされたりしたので、その辺どう変化していったのか
ちょっと興味あり。


メイキング等を見ていると、「自主映画」の楽しさに溢れていて、
ちょっと懐かしくなった。でもこうやって自主で映画を
撮っていくのも結構根性がいる事なのだ。
蛇足だが、筧監督とは某映画祭で数年前にご一緒しました。
メイキング等を見るとあの頃よりもしっかりした顔立ちになって・・・
と俺も歳とったって事か??