12.『犬猫』 レンタルDVD

IMAO2006-02-12

愛おしく可愛らしい映画。
でも女の鋭さと残酷さも見え隠れする。


二本続けて自主映画から派生した作品をDVDで鑑賞。
昨日観た『美女缶』は作品そのものがインディーズ作品だが、
この『犬猫』はまずオリジナルの8ミリ作品!
(最後の8ミリ作品か??)があり、その後リメイク版の
本作という事らしい。
最初一時間くらいは爆笑してしまう部分もあり、結構楽しんだ。
このオフビートな感じはやはり映画ならではの笑いとかリズムだと思う。
キャストを見た時、正直どうかなー、という感じもしていたのだが、
演者達は見事に登場人物になりきっていた。
このあたり井口奈己の演出の力量を感じた。
メイキングを見るとリハーサル等に
非常に丹念に取り組んでいるのが良くわかる。


余談だが前にノーラ・エフロンの『奥さまは魔女』のコメンタリーを聴
いていたら「リハーサルは二週間」みたいな事を言っていたのだが、
日本映画では二週間あれば一本映画が撮られてしまう時間だ!
だがこの『犬猫』も途切れ途切れかもしれないがリハーサルに
一ヶ月近くかけたそうで、そこら辺にこの映画の魅力の秘密がある
と思う。結局映画とはその場のリアリティーを映す事でしか勝負出来
ないのだから。


この作品非常に愛すべき作品なのだが、個人的には後半のツメが
ちょっと甘い様な気がする。あのラストの方の喧嘩のシーンまでの
感情の盛り上がり方が少し急激すぎる様な気がするのだ。
その辺の検証も含めて8ミリ版も観てみたい。
キャストは全員役が浸透していて観ていて楽しいが、西島秀俊
やはり面白い。この人一昨年くらいからすごい数の映画に出ている
が「ダメ男」をやらせたら今ナンバーワンかもしれない。彼はぜひ
日本のジャン・ピエール・レオーになってもらいたい!