18.『力道山』 T-JOY大泉

IMAO2006-03-11

プロレスがショーなのか?八百長なのか?
格闘技に興味のない僕はそんな事は知らない。
けれども力道山や長島という「ヒーロー」達が
日本を精神的に支えていた時代があったのは事実だ。
プロレスや野球がスポーツである以上、
そこにルールがあり、ショー性が必要とされる。
それはつまりあらゆるスポーツや芸事には「ストーリー」、
もっと言えば「フィクション」が必要だ、という事だ。
その「フィクション」の主人公=「ヒーロー」こそが力道山だった・・
そんな事を考えながらこの映画を観ていた。


映画としてはかなり大味な所はあるものの、
やはり力道山を演じた韓国のデ・ニーロこと
ソル・ギョングの存在感は圧巻!
この人『オアシス』の時もスクーターから落ちたり、とかしてて
凄い役者だと思ったが、今回はマジでレスラーになってます。
と、いうか力道山乗り移ってた。
演技とは「肉体」の表現であって、映画そのモノはたとえ
フィクションであっても「肉体」は嘘を付けない。
そして一見フィクションだと思われている映画も
実は肉体のドキュメンタリーだ、という要素がある。
そういう意味で映画もプロレスも同じ地平にいると思う。


藤竜也萩原聖人、そして中谷美紀等も好演。
特に力道山パトロン役の藤竜也ソル・ギョング
非常に良いバランスだった。
残念だったのは多分製作期間の問題だと思うが「仕上げ」作業
がイマイチ詰め切れていない感じがした事だ。
だが、映画全体からすれば些細な事かもしれない。
映画館には一見してプロレス好きそうな人々がチラホラいました。
そういのって良いですよね。