26.『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』

IMAO2006-04-04

えーと、タイトルがあまりにも長過ぎるので、
観た所はココに書きます。
恵比寿ガーデンシネマ」です。
好みもあると思うのだが、僕はこの映画が大好きです。
この映画は「生と死」「アメリカとメキシコ」といった境界の話であり、
ロードムービーでもあり、そして贖罪の話でもある。
その物語は骨太だが、時に洒脱に、時に詩的に進行していく。
この映画をカウボーイが出てくるからといって、
ウェスタンだと勘違いしてもらっては困る。
この映画はそういったありきたりなジャンルに当てはまらない
正に「トミー・リー・ジョーンズ印」の映画なのだ。


アクの強い役者として有名なトミー・リー・ジョーンズ
劇場映画デビュー作。
とはいってもブドードウェイ、ハリウッド俳優として一流のキャリア
があり、しかもテレビドラマの演出なども手がけている彼なので、
監督一作目とは思えない程の風格のある作品になっている。


テキサスにやってきたメキシコ人メルキアデス・エストラーダ
トミー・リー・ジョーンズ演ずる男と働く事になる。
二人には友情が芽生えるが、ある日エストラーダは国境警備員
に誤って殺されてしまう。と、いうのが大まかな導入部分だ。
前半部分は時制を崩したミステリー調の展開だが、
後半に行くにしたがって不思議な展開になってゆく。
その不可思議さを魅力と思うかどうかで、この映画にノレるか
ノレないか、という差が出てくると思うのだが、
映画狂なら間違いなく面白がると思う。
特にラストの付け方とかは普通のアメリカ映画ではありえない
展開で、ヨーロッパ映画とか好きな人にはオススメ。
この映画はカンヌ映画祭の最優秀脚本賞を取っているそうだから
そう意味でも、そのあたりは証明されている。


前にも『るにん』の所で書いたと思うが、
http://d.hatena.ne.jp/IMAO/20060129
やはり役者が撮った映画は面白い。
トミー・リー・ジョーンズ、今年で60才だそうだが
まだまだ男汁全開!?って感じです。
これから何本映画を撮るのか楽しみだ。
ちなみに製作はリュック・ベッソンのヨーロッパコープ。
彼はこういう良い映画に黙って金出して、
自分では映画撮らない方が良いかもね。


余談だが、この邦題どうにかならなかったのかしらん?
いくら何でも覚えにくいし、覚えにくいタイトルの映画
の話題なんて誰もしないし、結果観に行く人が減ると思う。
どうして最近の配給会社は邦題のタイトルで冴えたモノを作らないのか?
非常に不満であります。