32.『運命じゃない人』DVD

IMAO2006-04-22

構成は見事だし、面白い。
内田けんじはこの作品でプロになったのだ。
撮影現場はプロの画作りの為に多くの人や金が動き、
彼の映画を作ってゆく。
全ての映画はそうして作られてゆくし、
この映画はそういう意味では確かに良く出来ているのだが、
自主映画『ウィークエンド・ブルース』の方が面白いと
思ってしまう僕は、やはりひねくれモノだろう。


だがこの映画『運命じゃない人』に『ウィークエンド・ブルース』の様な
「熱さ」は半減している。プロの現場で「熱さ」を維持するのは並大抵
ではない事なのだ。映画にはやはりある種の狂気が必要で、それは
並大抵の「狂気」ではダメだのだ。
でも内田がこの後、彼の最大の武器である「構成力」を持ってどう
日本映画を変えてゆくのか、それは期待して良い事だと思う。