60.『やわらかい生活』 K’sシネマ
主人公の女は30代後半独身で躁鬱病。
親の遺産で東京で一人暮らし。
細々と好きな事だけして食いつないでいる・・・・
本当にこの人がモデルなんじゃないか?という位そっくりな
生活をしている友人がいて、なんとも不思議な感じに。
けど、それは暗くなった、とかそういう事ではなくて、こんな生活も
まああっても良いかもな、という感じです。
というのも、僕はその友人が割と調子の良い時(まあわりと躁の時?)
には呼び出されて(時には呼び出して)
一緒にメシ食ったり映画観たりする友人な訳ですが、
それ以上でもそれ以下でもない、ある意味貴重な友人な訳です。
そこに社会的な「損得勘定」がほとんどない。
大人になってくるとまあ、色々と打算的になってきてそういう友人って
本当に貴重になってきますが、向こうがそう思っているかどうかは
よう判らんです。でもまあそれでもお互い年に数回は会ってたりする
のだから、それなりに似た者同士なのでしょう。
まあ、それはともかく映画は出来が良いと思います。
廣木隆一はやはり手堅く面白いです。
全部観ている訳ではないですが、ここの所多作ですしね。
『機関車先生』も『ヴァイブレータ』も良かったですが、
寺島しのぶは廣木隆一のミューズとなりつつある様です。
小津と原節子、成瀬と高峰秀子、トリュフォーと女優達、
佐々木昭一郎と中尾幸世、増村と若尾文子・・・
そういう関係が映画には必要だ。まあ平たく言えば愛が
必要って事ですよ。それは別に恋愛感情とかそういう表面的
なモノだけでない事だと思うけれど。
で、この映画には主人公に関係する男が約四人程出て
きますが、この中で僕はどの役に近いのか?やはり考えて
しまいます。え、やっぱり田口トモロヲの役、って?
さすがにあそこまで大胆ではないですよ^^