48.『14歳』 ユーロスペース

IMAO2007-06-08

この映画が必ずしも好きではない。でも嫌いだとは言い切れない。判っている。それは新しい才能への反撥なのだ。
監督:廣末哲万(ひろすえひろまさ)と脚本:高橋泉の映像ユニット『群青いろ』のPFFスカラシップ作品。このユニットの作品を観るのは初めてだが、その才能には正直唸った。ワンカットワンカット緻密に構築されたフレームと演出は映画でしかありえない気高さに満ちている。そしてそのフレームは一見閉じているかの様に見えながら、事件は必ずフレームの外からやってくる。それはある時は音声として、またある時は視線として。そうしたジャブの様に繰り返される日常の小さな断片が、映画全体にカウンターパンチの様な重みを持たせている。
この映画は多分観る人の好みがかなりハッキリと別れる映画だと思うが、それだけに色々な人の意見が聞きたいと思う。今年一番才能を感じた作品なのだから。