24.『ウディ・アレンの夢と重罪』 恵比寿ガーデンシネマ

IMAO2010-04-14

ここ数年の映画では、やたらと人が死ぬシーンが出てくるウディ・アレンの映画。でもアレンの描く殺人シーンには死体は出てこない。猟銃で撃たれたり、車が木にぶつかったり、拳銃で撃たれたりして死んだと思われる人たちも、フレームの外や、目に見えない場所で消え去ってしまう。でも見えない場所で消えたのだから、本当に死んだかどうかさえ怪しい。それを証拠に彼等はまた映画の中で出て来たりする。映画の文法を知っている我々は、それは「回想シーン」だと思い込んでいるのだけれど、本当にそうなのか?それさえも怪しい不思議な感覚の背後には、映画の文法さえパロディーにしてしまう、どこか余裕のウディ・アレンの姿がある。
撮影はヴィルモス・ジグモンドアメリカ映画を代表する撮影監督だが、まだ生きて現役とは思わなかった。ウディ・アレンも相当な歳だが、このジグモンドだって御歳80歳!参ったね・・