(再)『暗殺の森』 イメージフォーラム

IMAO2011-01-01

この映画は20歳の時にテアトル新宿で観て以来、映画館で上映する度に観ている作品だけど、今もってその存在感は新鮮。何が新鮮だったのかその時の僕には良く判らなかったけれども、今は何となく判る。それは様々なジャンルがハイブリットされた映画の力を感じたのだと思う。ミステリーも恋愛もサスペンスも政治も、その全てが1つの映画で表現する事が出来るんだ?という驚き・・それは当時の僕には本当に新鮮な体験だった。でもそうした映画を創るためには本当の才能がいる、と知るには少し時間が必要だったけれども。
ベルトルッチストラーロジャン・ルイ・トランティニャン、ドミニク・サンダジョルジュ・ドルリューなどの世界的才能がこの現場に若くして集まっている。この時ベルトルッチストラーロは27歳位だった筈だし、それだけに時に瑞々しく、時に成熟した演出には、ため息すら出てしまう。今回久しぶりに観ていても何度も新しい発見があった。これほど若くして成熟した演出が出来る監督というのはそうそう出てくるものではないし、最近ではそういう力を感じる監督はやっぱりポン・ジュノだと思う。
良い映画は人生を豊にしてくれるのかどうかは判らない。けれども、良い刺激にはなるのは確かだ。そうした刺激が人生を豊にするというのなら、時間の許す限りもっと良い映画を観たいと思う。今年も良い映画に沢山出会えると嬉しい。