86.『ミリオンダラー・ベイビー』(再) 他2本

IMAO2005-10-19


『GUNS&TALKS』のチャン・ジン監督の新作。
主役は『GUNS〜』や『シルミド』にも出ていたチェン・ジョエンと
ちょっと奥菜恵に似ているモデル出身のイ・ナヨン
チェン・ジンは大学時代から演劇で鳴らした人で韓国
(の若者の中)ではかなり有名な人らしい。
実際この脚本も構成といい、ギャグといい非常に演劇的なモノを感じる。
まあギャグのセンスは好みもあると思うが、
ポップで可愛い作品に仕上がっている。
脚本、演出の巧さもさる事ながら、両俳優の巧さがこの映画の魅力だ。
チェン・ジョエンにいつもの二枚目ぶりはないし、
イ・ナヨンは可愛いが、ちょっと地味な不思議ちゃんを好演している。
まあ、はっきり言ってダサイ女の子役である。
(個人的には可愛くてちょっとダサイ女の子は大好きだが・・・)
ああいうのを巧く演じる事が出来るのは本当に力がないと出来ない。
それをイ・ナヨンは姿勢まで猫背にして熱演していた。
まあ要するにこれは三枚目同士の恋愛映画なのだが、
構成やちょっとした仕掛けが巧くて退屈させない。
地味な話なのに、面白い。こういう映画が日本でも作れないものか??
劇場公開は来年の1月以降の予定。

  • 88.『オアシス』 WOWOW

昨年見逃していたら、すぐにBSでやってくれる。
そりゃ皆映画館行かなくなるわな。
しかし、まあ良い映画はやっぱり観た後映画館で観れば良かったと
後悔するのも事実なのだが・・・・


現実と非現実。リアルとファンタジー。その表現方法が面白い。
この映画のカメラは非常にリアルな空気感を捉えるのが巧くて、
この映画のトーン&マナーを作り出すのに貢献している。
だがそんな非常にリアルな画にデジタルをさりげなく使用したりする。
その使い方は決して嫌みではない。
かと思うと、非常にアナログな方法で「非現実=ファンンタジー」を
表現したりもする。そのバランスが非常に巧い。

ビューティフル・マインド』等でも同じ様な表現方法を使っているが
あれも現実と非現実がテーマだったし、どちらも障害者を
扱った作品なので、似てくる部分も多い。
だがこの作品の方がもっと映画の「リアル」な力を信じている。
主役の俳優はスクーターからこけたり、木から落ちたり、という
芝居で感情を表現する。それもひょっとしたらデジタル処理された
ものなのかもしれないが、問題はこの監督が「肉体」を信じているか否か
という事だと思う。それこそがこの映画のテーマだからだ。