2005年ベスト??

基本的には2005年に入って初めて観た映画、約120本中、
個人的に「もう一回、映画館で観たい!」と思わせる作品達。
(もう二回観ているモノもあるが・・・)
別に10本という訳ではない。順位もつけない。
大凡観た順番で記載してある。
一口に映画といってもテーマも、ジャンルも違うものだし、
同じ土壌で語れないモノもある。
それに話題の作品で観逃している作品も多数ある中での選択なので、
これは「今年観た」という限定された中での抽出であります。


こうして観てみると全体的には、日本映画、アメリカ映画、
ヨーロッパ映画韓国映画、という国々の映画を観ている。
その中でも韓国映画は去年に続いても元気。ジャンルも様々。
日本映画も好調。
大作で気になる作品はなかったが、
様々なジャンルが撮られている事が分る。
若手の台頭が目立つが、大林宣彦市川準の様なベテランも
巻き返している。


アメリカ映画は去年はあまり元気がなかったが、
スピルバーグイーストウッドというベテランに加え、
ロン・ハワードピーター・ジャクソン
(彼を一口にアメリカ映画と言って良いかはともかく)
といった中堅どころが頑張っている。
残念なのは一時期に比べてヨーロッパ映画の勢いがない事だ。
特にフランス映画は昔に比べると全体的に量が少なくなってきたし、
劇場で観れる映画が少なくなってきている。


そう考えると劇場公開されてから三ヶ月でDVDになってしまう
様な映画がある一方で、マーケットの流れに乗れず、公開も
されない映画が多くなってきている印象もある。
この流れは止められないのか?
また非常に個人的な事を言えば、今年は
「棺桶に入れてほしい作品」はなかった様に思う。
まあそれはもう少し時間がたってみないと判らないが・・・


  • 『理由』(邦):

 大林宣彦はある意味狂人である。その良い例。

 ジャン・ピエール・ジュネの描くもう一つの『アメリ

 恋愛の光と影。誰にでも共感出来るテーマ。

 不思議な空気感。不思議な間。その全てがキム・ギドク印。

 アルモドヴァルの作品はどんどん洗練されている。

  • 『やさしくキスをして』(英):

 ケン・ローチの描く人々は「生きている」。
 そして何げにテーマも深い。

 シンプルさ、力強さ、イーストウッドにしか撮れない工芸品

 これが初監督作となるチョン・ユンチョル。
 個人的には「今年の脚本賞」を挙げたい映画。

 今一番ノッている市川準宮沢りえが生んだ小さな傑作。

 かつて『E.T.』を撮った人がこの映画を撮る・・
 スピルバーグアメリカも変化している。

 自然体で「自分の映画」を撮れる若き才能、山下敦弘

 どんな映画もモノにしてしまう三池崇史の才気。

 地味だが確実に「映画」な人、古厩智之

 ロン・ハワード+アキヴァ・ゴールズマンのゴールデンコンビの職人芸。

 三本中一本はイマイチなんだが・・・
 残る二本は捨てがたい。

  • 『小さな恋のステップ』(韓):

 平凡な日常もチャン・ジンにかかるとこうなる。

 天才の観た夢を観れる幸福。

  • 『世界』(日、仏、中):

 限定された世界が示唆するのは、これからの世界なのか?

  • 『女は男の未来だ』(韓):

 オフビートなユーモア、そしてややシニカルな人間描写。
 でも憎めない。

  • 『ある子供』(ベルギー):

 生きた人々を描くダルデンヌ兄弟の真摯さ。

 P・ジャクソンはキングコング並みの体力の持ち主だと思う。

  • 『疾走』(邦):

 少し理屈が勝っているが、少年達の痛みを感じた。

 やはり鈴木清順、良い意味で狂ってる。老人パワーに圧倒されました。