1.『SAYURI』 T-JOY大泉
今年一本目の新作は去年の映画から。
という事でカウンターも1からスタートです。
いや、もっと失笑の嵐を期待して観に行ったのだが、
意外とフツーに観れてしまいました。
そりゃ、細かい事言えばいくらでもありますよ。
着物の着付けがなってない、だとか、
あんな芸者の踊りはない、だの、
あ、やっぱりこの手の映画にはMAKOが出ている、とか、
おいおい舞の海まで出てるよ、とか・・・・
でもそういうのは全部判っていてやってるんだろうなー、って感じがした。
色々勉強もしたし、リサーチもしたのでしょう。
でも、結局はガイジンから見た「ゲイシャ」の世界を描くしかない、
って、開き直って作ったファンタジー映画だと思えば全然OKです。
そこに日本に対する冷やかしはなかったと思います。
ま、多少のズレはあるけど。
まあ、例えが変かもしれないけど、カリフォルニア巻きは
それはそれで結構イケた、みたいな感じですか・・・
何しろアジアを代表する三大女優が出ている、という
だけでもバーゲンプライスな映画です。
チャン・ツィイー、ミシェル・ヨー、コン・リー
普通はこの中の一人で一本の映画撮られてしまう人達です。
その誰もが芸達者なので、それだけでも飽きないです。
おまけに桃井かおりや、工藤夕貴等がガッチリ脇を固めてます。
そして話の展開がリズミカルでテンポが良い。
特に主人公のさゆりが芸者になってゆく過程は
非常にテンポよくスペクタクルな感じで見せていってノリノリです。
まあでも人物描写は結構浅い感じがしましたね。
なんかまあサラっと人生描かれてしまって、その苦労とか
良く判らなかった、っていう所はあります。
ここいらはやはり、カリフォルニア巻きって感じ。
しかし、誰もが思っている事でしょうが、このSAYURI
を演じられる女優が日本人でなかったというのは、やはり残念だ。
ロブ・マーシャルもかなりオーディションをしたそうだが
結局、演じれて、踊れて、スター性がある女優が日本に
いなかった、という事なんだろうなー。
これは日本の芸能界、映画界の人々は大いに恥ずべき事だと思う。
要するに日本の女優は「タレント」はいても「スター」がいないんです。
しかし、思えば、コン・リーもチャン・ツィイーもどちらも
チャン・イーモウが見出した人材。
二大アジア女優を生み出した巨匠、
ここは一つ日本から誰か育ててくれないですか!?