2.『帰れない二人』 1/21 Web

IMAO2006-01-21

http://www.iiv.ne.jp/choice/m05yamada.html

新作を観に行けない日々が続いています。
結構ストレス堪ります。
家では旧作を観ながら仕事してたりしますが、
やはり映画館行きたいです。
しかし世の中的には僕みたいな人はむしろ珍しくなっていて、
普通は映画館よりもDVDやWEBで
映画を楽しむ時代になっている様ですな。


「ショート・フィルム」という形式はここ数年日本でのはやりだし、
新人監督が育つ場としては結構良い環境だと思うのだが、
いかんせん数の割には良いモノが観れなくて、
そこまで追いかけていられないのが正直な感想だ。
こちらも仕事で多少なりとも関わったりする事があるので、
客観的に観れないというのもあるが、
それでもたまーにこういう佳作にめぐり逢ったりもすると
こういう環境も必要だなー、と思う。


この作品は総務省の「明るい選挙推進協会」という非常に怪し気(笑)な
所が出資して撮られたショートムービーのシリーズで、名だたる監督が
この作品以外にも撮っているのだが、正直この作品が一番観れた。
多分色々な経緯を経てそうなったと思うのだが、テーマから少し外した
所で物語を進行させているあたりがこのストーリーの巧さだと思う。


そして何よりも、この映画は出だしから映画のリズムだった。
離れた席に座る元恋人同士の目線。
朝、女が通勤する時に二人が歩く長いドリーショット。
映画と記憶を結びつける構成。その全てが「映画」だったのだ。
監督と大森南朋がCMを含めて何回か仕事をしているらしく、
そのツーカーな感じもこの作品に良い影響を与えていると思う。
この監督、山田英治の『鍵がない』も観たくなった。


しかし、この作品等はせっかくフィルムで撮っているのだし
出来れば何らかの形で映画館で観せてもらいたいモノである。
フランスとかでは短編は長編の頭に時々付いていたりして、
それはそれで文化として確立している。
日本のショートフィルムも一過性のはやりにしてしまうのは
もったいないと思う。こういう場からこそ新人監督が育って
ゆくのだから・・・