72.『HOUSE ハウス』 日本映画専門チャンネル録画

IMAO2006-07-16

自主映画繋がりという訳ではないのですが、
録画してあったこの『HAUSE』です。
一応、大林宣彦ファンのつもりでしたが、
この『HOUSE』は初見です。
しかし、今更ながら大林宣彦の才能に当てられました。
これ子供の時観てたら、絶対に熱出しますね^^


日本を代表する自主映画作家だった大林宣彦
その後、10年間で1000本以上のCMを撮り、
日本を代表するCM監督となり、満を持して撮った
劇場デビュー作がこの『HOUSE』だ。
噂には聞いていたが、この映画の強烈なスピード感
と瞑想感には間違いなく「毒気」がある。
まるで当時のCM技術をぶちまけた様なオプチカルによる
過剰な表現、かと思うと、コマ撮りや、サイレント映画調といった
古典映画へのオマージュ・・・そういったモノが決して
ぶつかり合いもせず、不思議な調和を見せつつ進行してゆく。
これは「CM界の鬼才」として日本映画界に新風を巻き起こす
期待に答えた、大林なりのサービス精神に溢れた映画なのだろう。


そうなのだ、この映画はある意味サービス過剰なのだ。
それはキャスティングにも現れている。
池上季実子大場久美子、神保美樹、小林亜星南田洋子
三浦友和ゴダイゴ尾崎紀世彦笹沢佐保、鰐淵晴子等、
当時の才能が集結している。
この映画を観て、改めて大林宣彦の才能が当時、如何に
異端で突出していたものであったかを垣間みた様な気がする。
そして恐ろしい事に大林は今でも日本映画の中で異端で
あり続けているのだ。