(再)『こわれゆく女』 DVD

IMAO2006-08-02

ちょいと思う所あって観直した。
久しぶりだったのですが、やはりスゴかったです。


後半、病院から帰ってきた妻のジーナ・ローランズ
に向って、旦那のピーター・フォーク
「お前らしく振る舞え!」と言うシーン。
このシーンは暗い階段で行われていて、
二人の姿はシルエットになっている。
フレーム一杯に二人が捉えられていて、画面はほとんど暗闇だ。
画としてはほとんど黒味なのに、伝わってくるモノがある。
それは一言で言うと「感情」というモノなのかもしれないが、
凡才はそういうモノを見える形で表現しようとするだろう。
だがジョン・カサヴェテスは一見何も映っていない画で、
それ以上のモノを表現してしまう。
それが狙いだったのかどうか僕には判らない。
でもこの映画や他のカサヴェテスの「自主映画」
(彼のほとんどの作品はインディペンデント作品だ)を観ると
如何に彼が本能的に映画を撮っていたかを感じさせられる事がある。
彼の映画は技術以上の所で何かを表現している。
そういう芸当は普通の人にはやはり出来ない事だと思う。