87.『ハチミツとクローバー』 ユナイテッド・シネマとしまえん

IMAO2006-08-11

好きか嫌いか?と言われたら、
どちらでもない、としか言いようがないし、
原作漫画3巻までしか読んでいない僕が言っても
説得力ないけど、完成度は高い方だと思う。


何しろ初監督作品で、これだけのキャストと完成度
のモノを作る、というのは才能がないと出来ない。
最近良く思うのだが、映画って本当に運と才能が
必要とされるのだ。
「歌える人には歌えるが、歌えない人には歌えない」
と『市民ケーン』の中でも言っているではないですか。
映画も処女作だろうが、何本撮っていようが、面白い
映画撮れる人は撮れるし、何本撮っても面白くない
モノしか撮れない人もいる。


ま、それはともかく漫画でしかあり得ない様なキャラたちも
うまくキャスティングされているし、芝居のテンションも
合っていたと思う。
「はぐ」の蒼井優も悪くないと思うのだが、なにしろ加瀬亮
が大学生に見えてしまう、っていうアタリ、この人巧い役者
なんだなー、て良く判った。
伊勢谷友介は相変わらずだけど、でもあの手足の長さと
動きのダイナミックさは、やはり日本映画の若手として
は貴重なのだろう。芝居の幅があまりないので、今後は
コメディーとかが出来れば良いのに、と思う。
でも、あれはやはり女の子からはモテるでしょう。
すごーく男の子っぽい要素があるもん。(←やっかみ^^)
関めぐみ、結構良いですね。落ちそうな位大きな目と
ちょっとバランスの悪い口元・・・・魅力あります。
衣装とか美術が良い御仕事してると思います。
わざと70、80年代風の小道具やインテリア等を嫌みに
ならない程度にうまくリミックスしている。
ちなみに「はぐ」が描く絵はMAYA MAXXが担当。
音楽は菅野ようこ。と「ハチクロ」の世界観を過不足なく
盛り上げる、非常に戦略的なアスミック・エース的な作り
が成功しています。


でも何だか物足りなさを感じてしまうのは、この映画
があまりにも「毒気」がないからだと思う。
それはまあ原作がそういうモノだし、ある種のファンタジー
からしょうがないんですけど・・・と、好みの問題でした!