136.『明日の記憶』 DVD

IMAO2006-12-26

記憶と映画は似ている。
というより人類が発明したモノの中で映画ほど
人間の記憶に近いモノはないのではないか?
だから皆映画が好きなのだし、記憶をテーマにし
た映画もたくさん作られるのだろうと思う。


良い映画だと思います。
渡辺謙がプロデューサーに名を連ねていますが、
彼主導で映画化に漕ぎ着けた企画らしい。
樋口可南子大滝秀治香川照之など良い役者が
適材適所で固められてます。何しろ大滝秀治
「生きてれば良いんだよ!」って言われちゃったらねー^^
原作は未読なので、これ以上にもっとエピソードはあるの
だろうし、本当の事の何分の一をも表現されていないの
かもしれない。だが、渡辺謙樋口可南子の真摯な芝居
には素直に打たれた。特に最後の樋口可南子の芝居は
非常に難しかったと思う。


堤演出は(彼にしては)控えめ。
脚本も映画の構成としてはシンプルだが王道だ。
堤幸彦はたぶんあえてこの「王道」を自分流に料理した
かったのだろう。彼自身がどこかで書いていたと思うが、
映画はやはり人間に興味がないと表現出来ないメディアなのだ。
単に映像を演出するだけならテクニックがあれば出来る。
でも映画は「人間」を演出しなくてはならないから難しい。
それは誰にでも出来る事ではない。
その事を作品で証明していると思う。


とはいっても遊んでる所は遊んでるんだけどね。
ミッチーのお医者さんはちょっとSF入ってました。
あと広告代理店のちょっとデフォルメされた姿とかね。
あれは逆に笑えなかったりもするけど・・・・・