2006年の映画を振りかえって

このブログに書いていない作品も含めて今日までに観た今年初見の映画は145本。その内旧作が38本だから今年公開の「新作」という事になると107本。内訳としては洋画(アジア映画含む)66本 邦画41本。
この数が多いかどうかはともかく、手塚治虫は年間365本映画を観ていた!と自負していたから、あまり「忙しい」とか言ってられないですね。人生も半分は終っているだろうし^^
去年と同じく「もう一回観てみたい作品」という基準で選んでみます。好みの度合いはありますが、あえて順位はつけません。もし知りたい方はコメント等から判断して下さい。ほぼ、観た順番で書いてあります。


■『ロード・オブ・ドッグタウン』(id:IMAO:20060126)
・スケボーやりたくなりました!

■『ミュンヘン』(id:IMAO:20060204)
シオニストスピルバーグの主張は矛盾に満ちている。でも面白い。

■『スティーヴィー』(id:IMAO:20060317)
・撮る事の功罪についての映画。

■『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』(id:IMAO:20060404)
・詩的でいてリアル、繊細でいて骨太!DVDまで買っちゃいました。

■『ヒストリー・オブ・バイオレンス』(id:IMAO:20060412)
・クローネンバーグもスゴいが、ヴィゴ・モーテンセンもスゴい!

■『隠された記憶』(id:IMAO:20060503)
・うーん、インテリだねー、嫌みだねー、でもやるねー。

■『ロシアン・ドールズ』(id:IMAO:20060529)
・フツーに見えて巧すぎる。

■『春の日のクマは好きですか?』(id:IMAO:20060630)
・今年最高のアイドル映画!?

■『ゆれる』(id:IMAO:20060725)
・いやー、怖いですね、鋭いですね(淀川調)

■『太陽』(id:IMAO:20060807)
・異人さんにやられてしまいました^^

■『深海 Blue Cha-Cha』(id:IMAO:20060823)
・誰も褒めてくれないし・・・・

■『グエムル 漢江の怪物』(id:IMAO:20060902)
・怪物が怪物を撮った!

■『父親たちの星条旗』(id:IMAO:20061103)
・大人の演出、大人の解釈。

■『ウィンターソング』(id:IMAO:20061112)
・ゴメン!好きなんじゃー!

■『百年恋歌』
・起きながらにして観る夢。でも本当にちょっと寝た・・・・

■『麦の穂をゆらす風』(id:IMAO:20061130)
ケン・ローチの強さ!!

■『硫黄島からの手紙』(id:IMAO:20061209)
・これはある意味、歴史的な映画か!?

■『明日の記憶』(id:IMAO:20061226)
・記憶と映画、永遠の定番だが真摯な映画だと思う。

■『紀子の食卓』(id:IMAO:20061227)
・生温い日本映画に喝!!


全体として思うのは日本映画は去年に引き続き元気。実際に作品数もレベルも一時よりは上昇していると思う。特に今年は女性監督の才能が爆発した年だった。ベストには入れていない作品でも女性監督の作品は多い。(『三年身籠る』『かもめ食堂』『ゆれる』『幸福のスイッチ』『赤い鯨と白い蛇』あと去年の映画だが『犬猫』・・・)この傾向は今後ますます強まってゆくと思う。実際公開を控えた女性監督作品は多い。
でもなぜか日本映画で個人的にベストとして残す物は少ない。あまり熱心に日本映画を追いかけていないから、誤解あるかもしれないけど、やはり小粒が多いからだと思う。それは別に予算云々の話ではなくて、(それを言うならここで選ばれた映画も一部を除いて低予算映画が多い筈)時代に対して意識的化どうかという事。

若い世代とたまに話をすると本当に洋画(特にアメリカ映画)を観ないが、それが必ずしも良い事なのかどうか?と思う。映画が「世界に開かれた窓」だとするならば、今日本ほど世界から目を背けている国もないのではないか?という気がするからだ。やれネットだ、ヴァーチャルだ、と世界が広がっている様な印象がある一方で、やたらと内向きな傾向が日本には蔓延している様な気がするのだ。もちろん徹底的に内向きでローカルになる事で世界に繋がる映画というのもありえるとは思う。『ゆれる』と『紀子の食卓』はそんな日本映画の代表だった。

それと対照的に、相変わらず数だけは来るアメリカ映画やその他の国の作品の中で、印象に残ったモノには非常に骨太な作品が多い。『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』『隠された記憶』『太陽』『グエムル 漢江の怪物』『父親達の星条旗』『麦の穂をゆらす風』『硫黄島からの手紙』・・・こうした作品が撮られたのにはやはり理由があると思う。特に海外の監督による日本を扱った作品が相当ある事も注目すべき事だと思う。(『太陽』『硫黄島からの手紙』『めぐみ』・・・・)それらの映画は日本人が今まで目を背けてきた様な出来事を描いていた。
あと去年も書いたと思うがヨーロッパ映画、特にフランス映画は非常に観難くなった。ロメールの新作さえ観れないのは非常に残念。この背景に何があるのか。出来事の裏には必ず理由がある。それこそが映画を観続けながら考える時代かもしれない。