10.『ディパーテッド』 バウスシアター

IMAO2007-01-20

前半は久しぶりのスコセッシ節を堪能しました。映像と芝居が融合した、一時期のベルトルッチとかスコセッシでしかあり得ない様な「映像耽美主義」。でも中盤から文字通り中ダレ・・・・
うーん、一言で言うとやはり長過ぎるんだろなー。決して悪い映画じゃないし、楽しめる所もあるし、役者も脚本も面白い。特に元ネタの『インファナル・アフェア』を観ている人にとってはその差異も結構楽しめると思います。「女」の表現の仕方がこうも違ってくるのか、とか、人種問題とかも絡んでくるのか、とか色々と勉強になります。でも最近のスコセッシは大きくなりすぎたマンモスって感じになってる。
かつてのスコセッシの魅力って、例えば『タクシードライバー』なら街が映画の中に浸食してくる様な生っぽい所がどこか必ずあった。それこそ(最近ドゥルーズ訳されたので使いますけど^^)『身体の映画』だった。でも段々『脳髄の映画』になってきていて、それはそれで『カジノ』くらいまでは面白かったんだけど、今はなんだか全てが作り事になってしまっている感じがします。そこに生々しさみたいなモノがひとかけらもない。まあ、自分でも反省したらしく次回からは割と低予算の映画に移行してゆくそうですが・・・それがコレですか!?