29.『4ヶ月、3週間と2日』 銀座テアトルシネマ

IMAO2008-03-12

去年のパルムドール受賞作品。クールでドライな演出は見事。
画面の一部が必ず欠けている様なアンバランスな画作りは、「見えない」事によって、より恐怖心と探究心を刺激する。そうした緊迫感はドラマ全体をサスペンスに昇華させている。だが、今ひとつこの映画が撮られた必然性が分からなかったのも事実。でも、それは僕がのほほんとした日本という国に住んでいるからなのだろう。何しろここで描かれた87年ルーマニアでは独裁政権の元、国民全員がほぼ監視状態だった。それに対し日本はバブル後期だ。そして未だにバブルへGOしたがっている国が日本という国だったりするのだから・・