53.『イースタン・プロミス』 シャンテシネ

IMAO2008-06-16

俳優という商売が「身体の表現者」だとしたら、ヴィゴ・モーテンセンほどその言葉が当てはまる人もいないですね。なにしろ全裸格闘シーンですよ、お嬢さん!身体も凄いが股間が気になります。もっとハッキリと観てみたい様な、観てみたくない様な・・
まあ冗談はさておき、クローネンバーグなので、「身体」にこだわるのは当たり前なんですね。この人の映画で変わっていないのはその一点のみ、という気がしてくる。映画の冒頭の方がいきなり出産シーンですが、そこで出てくる胎児はまるで「標本」です。殺人シーンも正面切って出てきますが、まるで「解剖」です。要するになんか描写が全て「科学的」「医学的」なちょっと冷めた感じなんですね。これがまた怖い!見ている周りの人達(要するに観客)は皆「痛そう」とか思ってるのに、お医者さん自身(要するにクローネンバーグ)はいたって平気、みたいな感じですね。でも医学の現場に情緒が不必要なら、映像の現場にもある意味情緒は不必要なのかもしれません。情緒は現場に入る前に整理しておけ!みたいな感じがね。同じ様な事を誰かが言ってた様な気がするのですが、誰だったかなー??