61.『インセプション』 吉祥寺東亜興行

IMAO2010-07-30

映画は記憶に似ている。更に言うなら映画は夢にも似ている。そして夢は記憶から成り立っている。だから映画と夢は当然の様に相性が良い。夢落ちの映画は古今東西たくさんあるし、映画を観ていて現実との境目を見失いそうになるのは誰しも経験のある事だ。それだけに「他人の夢の中に入り込み、その記憶を操作する」というこの映画のコンセプトは映画好きなら誰しも思いつくであろうアイディアだけれども、それをこれだけの規模と緻密さで映画化出来るクリストファー・ノーランという監督はホントに末恐ろしい。
これだけデジタルだ、バーチャルだ、とか騒がれている世の中で、もう映画なんてなくなるんじゃないか?と言われて久しいのに、未だに映画が滅びないのは、映画以上に人間の記憶に似たメディアが未だに出来ていないからではないか?そしてこの映画はその証明とも言える作品となっていて、それを素直に喜べば良いのかどうか・・とりあえずもう一度観たくなってしまう所が更に悔しい・・悔しいから映画観ながらちょっと寝たりしてみたけど、それも映画の一部分だったりしたらどうしよう??