77.『クリスマス・ストーリー』 恵比寿ガーデンシネマ

IMAO2010-11-24

デプレシャンの新作・・というか製作年は2008年だから、もう二年前の映画だ。この所フランス映画はどんどん迫害されてるなーと思うが、こういう大人の映画はやっぱり人を集めにくいのか?でも昨日はこの映画館のサービスデイで一律1000円だったせいもあって満員。皆、良い映画が観たいだけなんだろうと思う。
この人の映画を観ていて、いつも感心する事が2つある。1つはその「身体性」というか「肉体性」。登場人物達の動作や仕草がその人たちのキャラクターや思考を台詞よりも雄弁に語っている。大体フランス人の話している事なんて日本人には判らない事が多過ぎる。それは昔フランス語習ってよーく判った。文化の層とかそういうモノが違いすぎる。それでもこの映画が面白いと思えるのは、やっぱり映画は台詞だけじゃなくて、それを喋っている人なりキャラクターなりが大事!という事なんだろう。そしてそのキャラクターを表現するのは肉体だ、という事。
そしてもう1つが音楽の使い方。デプレシャンは既製の曲を良く映画の中で使うけれど、微妙にハズした感じの選曲を行なう。その「ハズし」加減が悔しい程巧い。でもそうした音楽の使い方を彼はスコセッシの映画から学んだ、とインタビューで応えていたのは意外だった。そう言われてみれば確かに、と思える部分が無い訳でもない。
まだ若いと思っていたデプレシャンも気付けば50歳。寡作の人だが、これからがまだまだ楽しみ。