2.『ふがいない空を僕は見た』 バウスシアター

IMAO2013-01-14

不妊症でコスプレ好きの主婦が、高校生と恋愛関係に落ちて・・・という所までが予告編で判っていたので、どうするのか?と思っていたが、意外と深いテーマがあり、面白かった。この話は「生」と「性」を巡る哀しき人間の物語だ。
子供が欲しくても産めない主婦。その主婦と浮気する、まだ性に目覚めて間もない青年。そして助産婦を生業としているその青年の母親。自分は産まれなければ良かったと思っている青年の友人。そうした人々が互いに少しずつ交差しながら、物語は進行してゆく。そこに浮かび上がるのは、性とその結果としての子供という生命の循環だ。皆それぞれに微妙に自分の望み通りには生きることが出来ない。それでも日々生きてゆかねばならない人間の寂しさ・・この難しいテーマを「日常」という、これまた難しいシチュエーションで描いたタナダユキは、これからもっと良い映画を撮る人かもしれない。
田畑智子永山絢斗も良かったが、永山の友人役の窪田正孝がすごく印象の残った。そういえば昔コスプレ好きのヤオイ漫画を描く女の子と付き合った事があった・・そんな事を思い出したりもした。